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優越感にも似た空気。

あたしはなにも知らない。

きっとそれは、彼が紗弥加という人やこの女の子とを話さないことをきっと分かってるから。

あたしよりも、深くて長い付き合いなんだ。

ムカつく。

しょせん、偽物の彼女なあたしは、雄大に利用されるだけ利用されるんだ。

そしてそれが分かってながらも、あたしはあの家にいる。

それは行く所がないからだ。


あたしもきっと、彼を利用している。

だから、雄大を責めたりするのは筋違いかな。


「別に、あたしは雄大の過去に興味があって付き合ってるわけじゃないから。」


「なにそれ!?余裕ぶってるんじゃないわよ!!」


この人は、認めたくないだけなのかもしれない。

あたしが雄大の彼女だって。

だから偽物とか言うのかな。


「可哀想…」

「はっ、あんたなに言ってんの??」


雄大は、その紗弥加って人が好きで、この人のことを見てくれない。

きっとそれで、なにかしらがあったんだろう。


そう考えたらすごく可哀想に思えた。


好きな人が自分を好きになってくれないのは、すごく辛いもの。


「そうやってあんたも、あたしをバカにするんだ!!
 あんた達みたいな女は、雄大には似合わないのよ!!」


瞬間、右手がおもいっきり上に伸びた。


あ、殴られる。


そう思ったのに、あたしは避けることができず、ただ黙ってその手を眺めていた。









――――パチンッッ!!