「『女に手出すなんて汚いマネしてんじゃねぇよ!!!!』って何発か。俺も何発か殴ろうとしたけど全部かわされて。当たったのは1発でしかも顔。・・・最低だよな」
「・・・・・・」
何も言えない。言葉が出ない。
拓実が、そんなこと・・・。
そんなことを考えてると、比呂が急にこう言った。
「・・・美沙、俺のこと好き?」
「・・・え?」
「俺・・・マジで最低なことしてたな・・・。好きな女殴ってさ・・・」
「・・・もういいよ・・・。終わったことだから」
比呂がテーブルのに置いてある水を一口飲む。
「今からさ・・・俺ん家来ねぇ?」
「・・・え?今から?」
何も言わずに比呂は立ちあがり、スタスタと歩き出す。
「ちょ、比呂、待って・・・」
比呂はファミレスを出て行く。
あたしは比呂を追いかけるようにファミレスを出た。

