でも、嘘をついてる保証もないし、

第一「酔っていたから覚えていない」と言われればそれ以上聞けない。

しらばっくれてんじゃねぇよって怒鳴り散らすわけにもいかない。

「でも美沙だって、拓実って奴が泊まるとか言ってたじゃん」

「拓実は幼なじみだから。泊まるぐらいいつものことだもん」

「いくら幼なじみだからって言ってもさ、美沙のこと好きかも知れない」

痛いところをつく。

きっと・・・わかってるんだろうな・・・。

「美沙ん家普段親いないんだから、2人っきりで何かあるかもしれない」

何も言い返せない。

ほんとにその通りだったから。

「拓実って奴は、多分美沙のこと好きなはずだよ」

・・・やっぱりわかってた。

「あんなに必死で美沙のこと守ろうとして、美沙が気失ったあと俺ら表で喧嘩してさ、顔は絶対殴られなかったけど、ただただ・・・強かった」

「・・・そうなんだ」

「好きな女だからだろうな。好きでもない女のためなら、1発2発殴って終わりだ」

「・・・そんなに殴られたの・・・?」

そんなことがあったなんて・・・。