「お兄ちゃん、見てみて!逆上がりできた!」 「良かったじゃないか。出来たな。」 莉奈が嬉しそうに笑顔を向ける。 そのままトコトコと俺の下へ駆け寄り、手を握った。 「ありがとう。お兄ちゃん」 「うん。帰るか。」 莉奈の手をしっかり握り返す。 今は俺と一緒だから安心だが、やはり莉奈一人で出歩かせるのはまだまだ心配だ。 何をされてもおかしくない家柄だから。 莉奈と家の前まで行くと門前に人の姿があった。 あれは…。