「女々しく…こんなにも不器用だとは…」
自分でも自覚しているとはいえ、他人に呆れたように言われるとさすがに堪える。
ましてや大人の男であり色々経験してきた風間さんにとっては、ガキくさい話だろう。
そう思ってうなだれていると、肩に手をそっと置いてきた。
「風間さん…?」
「しかし…恋愛に不器用になるのも仕方ないこと。だって貴方は愛をよく知らずに育っているのだから。」
そう言って見てくる目は切なげだ。
「…そんなこと…」
ない、と言い切れなかった。
「母親を幼くして亡くし、父親からは次期後継者として厳しく育てられ…心を許していた女性は継母となった。そして私は…無表情になっていく貴方を黙って見ているしかなかった。」



