俺だけの花嫁



「春香さんが好きなくせに…。伊織が他の人を想っているのに、隣になんて居られないよ!」

「真琴っ!」



真琴は泣き叫び、部屋を飛び出して行った。



「…っ」



追いかけようとしたが身体が動かなかった。


追いかけてどうする?


なんて言えばいい?


あれは嘘だとも違うとも言えばいい?


…言えないよ。
春香に言ったことは決して間違っていない。


春香が好きだったのも否定しない。


なのに…


なのになんで…



真琴に拒否されるとこんなにも胸が苦しいんだ?

こんなにも切なくなるんだ?


どうして…。