『何の抵抗かは知らないが、早く決めなさい。お前は雨宮家の後継者なんだから。』 疲れているのかイライラした声で言ってくる。 わざわざ国際電話をかけてきてまでいいよ。 ウンザリだ。 『伊織?』 「決まりました」 親父の言葉に被せるように早口で言った。 もう、どうでもいい。 『で?誰だ?』 どうでもいいんだ。 俺はフッと手の中のお見合い写真を見る。