俺だけの花嫁



真琴はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、パッと笑顔を見せて俺の腕からスルリと抜け出た。


「ありがとう。心配かけてごめんね。もう戻ってもいいよ。」



真琴は手すりによりかかりながら笑顔で言った。

最近よく見せる笑顔。
最近気が付いた、作り笑顔。



「いや。ここにいるよ。中にいると周りがうるさいからな。ここの方が落ち着く。」



俺は隣に立ち、同じように手すりに寄りかかる。