真琴は俺の腕の中で、困ったように目を動かしていた。 「ごめんなさい…。忙しそうだったから…」 シュンとした真琴を見つめて俺の気持ちも冷静になってくる。 真琴のせいじゃないんだよな。 「いや…、それは俺が悪いから。そばにいてあげようと思ってたのに色んな会社の人に囲まれた」 素直に悪かったという気持ちを口にすると、真琴は今度は戸惑った表情をみせた。 …っ。 その上目遣いの表情にドキッとし、真琴の肩に乗せた手に力が入りそうになってしまった。