部屋から出たら夏の風の香りがした。



セミの鳴き声がやたらうるさい。




「暑い〜」

「慶太の部屋は302だから」

「遠い〜ぃ…なんで4階じゃないの」

「莉子と近い部屋にしたんだってさ」



どこまでもバカップル




「慶太〜入るぞ」

「おぉ!!にいな、さっきのにいな修吾笑えたぞ!!」

「え?さっきの?」

「にいな知らねぇのか?修吾、ゴムねぇからくれって来たんだぞ〜。あれは莉子と爆笑したぞ〜」




まさか、あの時間の間ってそれだったんだ。