さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―

「あ、りがとう…。」




昔から翼は優しかった。



どんな時でも傍にいてくれた。




これだって、きっとその延長。





「翼は今どこにいるの?」



出来れば近くにいて欲しい。




会いに行けるくらい。




「伊東甲子太郎のところにいる。」





伊東甲子太郎(かしたろう)。




誰?




頭の中で検索してみてもその人物は出てこない。




うーん、と悩んでいると翼の声が聞こえた。




「あずは今どこにいるの?」





「新選組のところ。」




「本当に!?」




翼は嬉しそうに声をあげた。