さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―





困ったときは頼ってね、と言葉を残して沖田さんは部屋から出て行った。




文字通り一人きり。



一人になるとどうしても不安が募るけれど、沖田さんの言葉が胸に温かさをくれた。




そのとき、私は震えを感じた。




どういうこと?




恐る恐るその震源を手に取る。



確かにピンクの折り畳みのそれは鳴っていた。




「携帯が繋がるなんて・・・。」




電波は圏外。




それなのにディスプレイには“着信”の文字が。




その下には見慣れた発信者の名前。




現代だったら気持ち悪いくらいの非科学的な現象だったけど、今はそんなものにさせすがりたい。




恐る恐る通話ボタンを押す。




「・・・もしもし。」




「あず!?」