さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


「なんだこいつ?」




永倉さんがいかにも奇妙な物を見るような目で私をみてくる。




あからさまにそんな顔しなくても…。




「随分変な格好してるね。」




ぐさり。


永倉さんの隣に立っている細身な男も不思議そうに顔をしかめる。




こ、ここの人たちは随分と毒舌・・・。



あなた達の方がおかしいのよ!といいたいのをぐっとこらえる。




「近藤さん、こいつなんなんすか?」




二人は私から視線を外さず問う。



二人から見たら、変な格好をして突然現れた宇宙人・・・そんなとこなんだろう。



「うむ。巡査中にこの子を見つけてだな。妙な格好をしていたし、倒れて目を覚ます様子がなかったから、連れてきたのだ。」





近藤さんは丁寧に言葉を選んでくれる。



だけど、やっぱりこの格好はおかしいらしい。



白いワイシャツに、短くはいたチェックのスカート。



私たちがごく普通に毎日着ている衣服が、この時代においては非常に珍しいものらしい。