今日は篠原は家事当番の日だったから、俺は話す相手もいず、ただ黙って過ぎていく時間を感じていた。





「暇だな~。」




うーん、と背伸びをする。




そろそろこんな生活にも飽きてきた。





部活もしたいし、友達んちに行ってゲームでもしたい。





当たり前だった日常が、どうしようもなく恋しい。





「早く帰りたいよな。」





丁寧に畳んで、机の上に置いておいた制服に視線を落として呟く。




またこれを着て歩ける日が来るだろうか?







―――ガラ





そんなことを考えていたら、襖が開いた。






「篠原?」




当番が終わったのだろうか。





すぐに顔を出してくれるなんて、本当にまめな奴。






そう思っていたのに。







「…久しぶりだね。」