さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「俺はここで待ってるから、行っておいで。」





にっこりと微笑む沖田さんの笑顔に、緊張が和らぐ。




大丈夫。




覚悟は、出来たはず。





そっとその襖を開ける。





懐かしい、その後姿。





髪が、のびたわ。





二ヵ月間見ていなかっただけなのに、肩幅も広くなった気がする。





「…篠原?」





耳に響いた声も久しぶりで、熱いものがこみ上げてくる。






「久しぶりだね。」





翼がばっと振り返る。





信じられない、とでもいう様に大きく目を見開いて。