さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




私が彼の名前を呼ぶと、一瞬驚いたような顔をした。





どうして知っているの、というように。






「…まぁいいや。ついてきて。」





どこかしら機嫌が悪そうな篠原くんの後を追う。





一度、甲子太郎さんに頭を下げて。






「この人、どうしてこんなに機嫌が悪いの?」





私の耳元で沖田さんが囁く。





「ちょっと、色々あって…。」





思わず苦笑する。





多分、篠原くんは私に怒っている。




あの電話での一言。




嫌いってはっきり言われたし。