さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




「わかった。それじゃあ案内させよう
。」




にっこり笑う。




人の良さそうな人だな、と思って甲子太郎さんを見るけど、どうもおかしい。





「沖田さん、どうかしました?」





その両手には固く力が入って震えている。





どうしてか、いつもとは様子が違う。




こんなに露わに出ているオーラは、殺気?




私と視線がぶつかると、いつものような穏やかな表情になったけれど。




きっと、気のせいだよね。




そんな事を考えているうちに、甲子太郎さんが近くに立っていた男の子を引っ張ってきた。