「あずは、帰りたいの?」 ――――ドキン どうして。 どうしてそんな悲しい顔をするんですか? 期待してしまう。 「わ、私は…」 帰りたくなんか… 「帰りたく、ない。」 言ってしまった。 口に出して、初めて。 「…良かった。」 沖田さんはほっとした、とでもいう様にその場にしゃがみこんでしまった。 “良かった” その言葉に涙が出る。 私がここに残ると言ったことを、良かったと。 確かにそう言ってくれた。 この時代で生きることを認めてもらった気がした。