さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



再び手を取って歩き出す。





「どこ行くんですか?」




「んー、内緒?」




「ええ!?」




楽しそうな沖田さんに、思わず頬を赤らめてしまう。




こんなに無邪気な笑顔を向けてくれるようになったことが、とてつもなく嬉しい。




やっぱり、好きなんだな。




だって、こんなにも触れられた手が熱い。





離れたくない。




それは私の本心。




でも・・・。





「着いたよ。」





「ここ、ですか?」




「そう。あんまり好きじゃない?」





「いえ、あんまり綺麗で・・・。」




涙が。




涙が溢れる。 





綺麗な小川。




小川より、小さいかしら。




これは、せせらぎ。




山の麓まで来た私達の足下には、綺麗な音をたててせせらぎが流れていた。




どこまでも澄んだ水には、魚たちが泳いでいる。


    

あたりには小さな花なんか咲いている。





それに、この赤。




「これは、何色ですか?」