再び手を取って歩き出す。
「どこ行くんですか?」
「んー、内緒?」
「ええ!?」
楽しそうな沖田さんに、思わず頬を赤らめてしまう。
こんなに無邪気な笑顔を向けてくれるようになったことが、とてつもなく嬉しい。
やっぱり、好きなんだな。
だって、こんなにも触れられた手が熱い。
離れたくない。
それは私の本心。
でも・・・。
「着いたよ。」
「ここ、ですか?」
「そう。あんまり好きじゃない?」
「いえ、あんまり綺麗で・・・。」
涙が。
涙が溢れる。
綺麗な小川。
小川より、小さいかしら。
これは、せせらぎ。
山の麓まで来た私達の足下には、綺麗な音をたててせせらぎが流れていた。
どこまでも澄んだ水には、魚たちが泳いでいる。
あたりには小さな花なんか咲いている。
それに、この赤。
「これは、何色ですか?」

