これもきっと運命。
俺らが揃って剣道を始めたことも。
俺が好んでやけに歴史が詳しくなったのも、多分そう。
きっと、その時から既に運命の歯車は回りだしていたんだ。
歴史が大きく動いた幕末に、その大舞台となった京都に俺が来たことには何か意味がある。
俺たちには、この時代の存在価値がある。
直感だけれどそう思った。
「今日は何日?」
「八月三一日だよ。」
八月三一日。
八月十八日の政変から十三日。
そして、薩英戦争から十二日が過ぎた。
歴史を大きく動かすきっかけとなったそれは、鹿児島県を戦場に薩摩藩とイギリスで繰り広げられた。
これで攘夷、つまり外交を取らないという考え方が、イギリスとの戦争で明らかになった外国との差を薩摩藩は知ってしまった。
薩英戦争は、後に尊王攘夷運動を倒幕運動へと一変させた。
これからまた時代が荒れると思うと考えるのも嫌になったから、うーんと背伸びをした。
「もう夏も終わるね。」
あの暑さはもうなくなって、秋の訪れが近いと知らせるように心地よい風が吹く。

