「あずみか…。なんだか聞いたことがある名前だけど。」 あるわけがない。 もともとここにいた人間じゃないんだから。 そんなことを心の中で呟きながら、話を続けた。 「ここに来たばかりの頃は帰りたいって泣いてた。でも…。」 またあの日のことがフラッシュバックされて、脳に2人が浮かぶ。 「この間町であずに会った時、帰ろうって言ったら戸惑った顔をしてた。」 「あの莫大なため息の原因はそれ?」 頷く。