さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


「あずみか…。なんだか聞いたことがある名前だけど。」





あるわけがない。





もともとここにいた人間じゃないんだから。




そんなことを心の中で呟きながら、話を続けた。





「ここに来たばかりの頃は帰りたいって泣いてた。でも…。」





またあの日のことがフラッシュバックされて、脳に2人が浮かぶ。






「この間町であずに会った時、帰ろうって言ったら戸惑った顔をしてた。」





「あの莫大なため息の原因はそれ?」





頷く。