篠原なら、すべて信じてくれるかもしれない。
俺が未来から来たことや、あずを想っていること、全部。
「…あのな、信じてもらえるか分からないけど…」
壬生寺で白い光に包まれて、150年前から来たこと。
目が覚めたら甲子太郎が目の前にいたこと。
最初から最後まで、一語一句。
全て本当のことを伝えた。
篠原は真剣な顔つきでただ黙って俺の話を聞いてくれた。
「それでその時一緒にこの時代に来たのが俺の好きな人。」
「名前は?」
「あずみ。俺はあずって呼んでいるけど。」
あずみって名前を呼ぶのは久しぶりだったから、なんだか照れくさかった。