俺はずっとにらめっこしていた。 「……。」 赤く光沢のある四角い個体と。 「うーん…。」 こいつと向き合ってもう何時間過ぎただろう。 かけようか。 でも、充電が勿体ないし。 それに、今自分の部屋にいないかもしれないし…。 「早く使えば?」 「うわぁ!」 顔に触れる柔らかい黒髪でそれが誰なのかすぐに分かった。