「楽しくていいじゃないですか。」






「まぁ、そうだよな。」




私がそんな事を考えている間も、原田さんと沖田さんは楽しそうに会話を盛り上げている。






この二人が一緒にいるのは珍しいけれど、案外仲が良いのかもしれない。   




「そういえば、昨日の飴ありがとうございました。」





沖田さんは原田さんにぺこりと頭を下げた。





「最初あんな酷かった二人が俺にお菓子を作ってくれるなんて。」





沖田さんは嬉しそうに笑う。




あんなに酷かった、か。





沖田さんの本音がぽつりとこぼれて、思わず顔がひきつる。





それを見て、原田さんは照れくさそうに頭を掻いていたけど。


 


私と原田さんに料理を教えてくれたのは沖田さんだったから、成長した子供を見て喜ぶ親の心境みたいな気持ちなのかしら。





沖田さんのこういう笑顔が好きだなぁと思って頬を赤らめてしまった。





こうして、私の武士としての人生と。




新選組と。





沖田さんへの、儚い恋が始まった。