「あずみちゃん、こうなることが分かってたって言うのか?」
永倉さんが目を丸くしている。
「い、一応…。」
遠慮がちに答える。
3人は驚いた様子で私を見ていた。
「すげぇもんだな…。」
ははっと笑って流す。
本当は凄くもなんともないことなんだけど。
新選組の名は、もはや常識。
「俺も知ってたぜ、こうなること。」
げ。
得意げに離す声が背後から聞こえた。
「原田さん、嘘つかないで下さいよー。」
藤堂さんがいかにも冷ややかな目を向けている。
原田さんに未来が見えるはずがない。
またくだらない嘘が始まった、と思うと思わず苦笑する。
「ちげーよ!俺らは分かってたんだもんな、あずみ!」
わかっていた、と言えば確かにそうなんだけど。
確かにそんな感じのことを原田さんに言っていたから。

