さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




「あずみちゃん、こうなることが分かってたって言うのか?」






永倉さんが目を丸くしている。







「い、一応…。」





遠慮がちに答える。




3人は驚いた様子で私を見ていた。






「すげぇもんだな…。」





ははっと笑って流す。




本当は凄くもなんともないことなんだけど。





新選組の名は、もはや常識。






「俺も知ってたぜ、こうなること。」





げ。





得意げに離す声が背後から聞こえた。






「原田さん、嘘つかないで下さいよー。」






藤堂さんがいかにも冷ややかな目を向けている。





原田さんに未来が見えるはずがない。





またくだらない嘘が始まった、と思うと思わず苦笑する。





「ちげーよ!俺らは分かってたんだもんな、あずみ!」





わかっていた、と言えば確かにそうなんだけど。





確かにそんな感じのことを原田さんに言っていたから。