「どうしてここに?」
沖田さんは私が警備に来ているのを知らなかったようで、目を丸くして驚いていた。
「土方さんに頼まれて…。」
自分から出る言葉が弱弱しい。
沖田さんは辺りに広がる血と死体を見渡して、私に視線を戻した。
「これあずがやったのか?」
うん、と答えたら私のことを血に狂った女だと思うだろうか。
頭にそんな考えが浮かんだけれど、私は頷くしかできなかった。
「…泣いていいよ?」
いつになく優しい口調。
「あずは任務を忠実に遂行したんだ。頑張ったね。」
そう言って頭を撫でてくれた途端、堪えていたものがこみ上げてきて視界が歪んだ。
「…ッ…」
沖田さんの世界は温かい。
私は沖田さんの胸を借りていつまでも泣き続けた。
沖田さんからも血の臭いがする。
みんなこの辛さを乗り越えたのだろうか。
沖田さんは何も言わずに傍にいてくれた。