そして、この怖い人が歳さん。
きついツリ目で、決して人相がいいとは言えないけれど、格好いいと思う。
好き嫌いはありそうだけど。
背中まで伸ばした黒髪は、やっぱり艶がある。
この時代の人って、髪が綺麗なのかな?
二人に見とれていると、近藤さんがにっこり話しかけてきた。
「お話、聞かせてもらえないかね?」
「お話って…?」
私があの場所に倒れていた理由だろうか?
または、この格好のこと?
「近藤さん、それは幹部が集まったときに聞けばどうですか?」
総司さんが近藤さんに声を掛けた。
近藤さんは少し考えたようだったけれど、こくんと頷いた。
「うむ。ならばそうしよう。」
ええ!?
私人前で話すの苦手なのに!

