さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




そして、この怖い人が歳さん。




きついツリ目で、決して人相がいいとは言えないけれど、格好いいと思う。




好き嫌いはありそうだけど。




背中まで伸ばした黒髪は、やっぱり艶がある。




この時代の人って、髪が綺麗なのかな?




二人に見とれていると、近藤さんがにっこり話しかけてきた。




「お話、聞かせてもらえないかね?」




「お話って…?」




私があの場所に倒れていた理由だろうか?




または、この格好のこと?




「近藤さん、それは幹部が集まったときに聞けばどうですか?」




総司さんが近藤さんに声を掛けた。




近藤さんは少し考えたようだったけれど、こくんと頷いた。



「うむ。ならばそうしよう。」




ええ!?



私人前で話すの苦手なのに!