「はぁ、はぁ…ッ」





辺りは、赤一色。





吐き気が。





吐き気がする。






───ガクン





目の前に広がる血の海を見て膝を折った。





私はどうしてここまで・・・。




ゴロゴロと転がる、幾つもの死体一つ一つに命の火が少しでも灯っていないか確認するけれど、どれもぴくりとも動こうとしない。





辺りは既に真っ暗になっていて、長州藩士は引き返したのか姿が見えなかった。






どのくらいこの場にいたのかさえ分からないし、





戦いの間に原田さんとはぐれてしまったらしく、知らない隊士さん達しか見当たらない。




 
原田さん、どこ行っちゃったんだろう・・・。






誰かのそばに行きたい。





一人でいると気が狂ってしまいそうだから。





うっすら開いた死体の目が、私のことを睨んでいるような気がして落ち着かない。






「・・・あず?」