立ちはだかるのは、黒い大きな門。
私たちは最後尾にいたから良く見えないけれど、その大きさはここからでもわかった。
「ふざけんなよ!」
「落ちつけ歳。」
そんなことをしていると、前方から土方さんと近藤さんの声が聞こえてきた。
怒ったような土方さんの声と、
それを宥める近藤さんの声。
「どうしたのかな?」
「わからねぇ…。行ってみるか?」
私はこくんと頷いて、原田さんの後に続いた。
隊士さんたちを掻き分けて先頭に出る。
土方さん、近藤さんがなにやら藩士たちと言い争っているようだった。
「どうやら中に入れてもらえないようだな。」
「ええ!?」
警備に手伝いに来てあげたのはこっちなのに、そんなことがあるのだろうか。
「俺らは荒っぽいやり方が多いからな。藩にはちょっと嫌われてるんだ。」
だとしても、あんまりだ。
「ちょいと失礼。」