さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




蛤御門、警備。





以前の土方さんの話を思い出す。





出動命令が出されたら警備に向かうと言っていた。





そして、私にも来てほしい、と。





「私も行く。」






私の言葉に、原田さんは驚いた顔をしていた。





でも土方さんにもそう伝えてあるし、反対はされないだろう。






「…正気か?」





予想外に真剣な顔つきな原田さん。






そこまで深刻に聞くことなのかしら?






警備って、見回りとかするんじゃないの?






「遊びじゃないんだぞ?」





こくんと頷くと、困ったような顔をして何も言わずに他の隊士さんたちの中に混ざっていった。





私も行っていいのかな?





少し迷ったけれど、原田さんの後を追うことにした。





隊士さん達の中に混ざって、永倉さんたち幹部の人たちもちらほら見受けられた。






「これから蛤御門に向かう!」





声が開かれた空に響く。






遠方から聞こえた土方さんの声と同時に、全員が声を上げて走り出す。






一瞬戸惑った私の手を、原田さんが優しく引いてくれた。