「キミはあくまで不審人物なんだよ?そう簡単に放すわけにはいかないだろう?」
小柄な人が呆れた様に言い捨てる。
そんな…。
「総司、それは言いすぎだ。歳も刀を離せ。」
近藤さんが優しくフォローしてくれる。
この人は見るからに優しそうな可愛いおじさんだけど、中身も優しい。
この人がいる限り殺されることはなさそう、と思ってほっと息をつく。
もう二人の人も、近藤さんには言い返せないようだった。
たしか、小柄な方の人は沖田さんと呼ばれていた。
背はそれ程高くないけど、真っ白な肌につり目でもたれ目でもない漆黒の瞳。
横一文字に噤んだ形のいい唇。
とても整った顔立ちをしている。
後ろで結んだ少し茶色がかった髪は、は私も憧れてしまうくらいサラサラになびいている。
簡単にいうと、綺麗な人。
男の人を初めて綺麗だと思った。

