さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



切ったフルーツに煮詰めた砂糖をつけるだけだから、私たちにだって簡単に作れる。






それに、単純な物だけどこの時代にはとても喜ばれると思う。






沖田さん、喜んでくれるといいな。






いつもお世話になっている彼に少しでも恩を返せるかな、と思うと自然に頬がほころんだ。






「・・・声にでてるぞ?」

 




「ええ!?どこからですか?」





「沖田さん、喜んでくれるといいな。」






原田さんが私の真似をした。





全然似てないけれど、私の方を染めるには十分すぎる台詞。





は、恥ずかしい!





自分の体温が三度くらい上昇した気がして、くるっと原田さんの逆を向いた。