さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―


「駄目?」




もう一度尋ねる。





「…いいけど、誰の?」






「沖田さん。」





「はぁ!?」




“沖田さん”の名前を出した瞬間、原田さんは曇った顔をした。







「・・・わかったよ。」




しぶしぶという感じだったけれど、原田さんは了解してくれた。





原田さんはキンさんが来てくれるまで1ヶ月間くらい、沖田さんと一緒に私の料理を手伝ってくれていたから頼りになる。






「それじゃ、キッチン行こっ!」






「きっちん?」






「・・・台所です。」





カタカナ使えないって不便。

 



日常会話にこんなに外来語が使われていたなんて。





「お前の言葉は意味が分からない。」






「私の時代ではこれが普通なの!」





ふん、と鼻を鳴らす。






「変な時代。」






「悪かったわね!」





原田さん一度をじろりと睨んで、立ち上がった。