「駄目?」
もう一度尋ねる。
「…いいけど、誰の?」
「沖田さん。」
「はぁ!?」
“沖田さん”の名前を出した瞬間、原田さんは曇った顔をした。
「・・・わかったよ。」
しぶしぶという感じだったけれど、原田さんは了解してくれた。
原田さんはキンさんが来てくれるまで1ヶ月間くらい、沖田さんと一緒に私の料理を手伝ってくれていたから頼りになる。
「それじゃ、キッチン行こっ!」
「きっちん?」
「・・・台所です。」
カタカナ使えないって不便。
日常会話にこんなに外来語が使われていたなんて。
「お前の言葉は意味が分からない。」
「私の時代ではこれが普通なの!」
ふん、と鼻を鳴らす。
「変な時代。」
「悪かったわね!」
原田さん一度をじろりと睨んで、立ち上がった。

