あのうっとおしいくらいの蒸し暑さも、もうどこかへ行ってしまって。 季節は秋に移りかけているんだな、と感じる。 「実は今日、総司の誕生日なのです。」 「沖田さんの?」 頷く。 いつものように私の様子を見にきた山南さんが、こっそり秘密を打ち明けるように教えてくれた。 「一之瀬さんの方から是非祝ってあげて貰えませんか?きっと喜ぶと思いますよ。」 にっこり、笑う。