さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―

「私、行かなくちゃ…。」



翼を探しに。




もしこの時代にいるのなら、早く落ち合って現代に帰ろう。




ありがとうございました、とお礼を言ってこの場を後にしようと、すっと布団から起き上がった。





「どこへ行く気だ?」




その瞬間、殺気を感じて振り返ると、手を刀に添えている一番怖い人と目があった。





―――ビクン



頭の中で警鐘がなっている。




瞬時に、この人は私がここから逃げたら刀を抜く気だと察する。




「一緒にここに来た人を探しに行くんです。」




ならば、ちゃんと断ればいいだけ。




そう思ったのに、現実は甘くなかった。