ある日、それは起こった。



その名も風呂騒動。



きっとこの事件は150年後まで残るだろう。





「今日も疲れたぁ。」



私はいつものように稽古を終え部屋でぐだぐだしていた。



現代にいるときはこんなにのんびりと時が流れるのを感じることなかったな。




「平和だなぁ…。」



なんて呟いて、天井をずっと見つめていたら廊下から待ちに待った声が掛かった。



「風呂入っていいぞー!」



「はーい!」



待ってましたと言うようにその声に答えて私はルンルンと準備を始めた。



声を掛けてくれた剣士さんの声がいつもと違う人に聞こえたけれど、まぁどうでもいいや。



永倉さんの声にそっくりだったなー。



「…ッくく…。」



「永倉さん、しーっ!」



ん?



今なんか声が聞こえた気が。



またみんなで晩酌してるのかなぁ?



「そんなことよりお風呂、お風呂っ!」




今思い返すと、ここで気づかなかった私が馬鹿だったんだ。




何度思い返しても悔やまれる。