そうだ。
翼は?
翼がいない。
一緒に光に堕ちたはずなのに。
「あの、男の子見ませんでしたか!?」
「男?」
近藤さんはうーん、と腕を組んで悩んでいたけれど、そこから顔が上がることはなかった。
その様子から、見ていないことを察することができた。
翼、どこに行ったんだろう。
現代に残っているとか?
そうだったらいい。
でも、もし別の時代にいたら?
考えただけで苦しくなる。
翼は私を追って来てくれたのだから、辛い思いをさせたくない。
その裏腹、この時代にいてくれたらいいって思う自分が醜い。
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