篠原は本当に不思議が多い。




分かることは、幼く見られるその容姿を気にしていることと、絶対に嘘がつけない正直者ってことと、篠原って名前。






そういえば下の名前なんだっけ?






初めて自己紹介した時に聞いたけれどすっかり忘れてしまった。





「今更聞くのも失礼だし、篠原は篠原でいいか。」






声に出して呟いてから外に聞こえたかな?と思ってあわてて口を塞いだ。






篠原と仲良くなったのは、こっちに来て2週間がたったくらいの頃。





ずっと部屋で監禁されていた俺の監視に向かわせられていたのが、篠原だった。





暇していた俺が部屋にいれたことがきっかけ。





齢も近いせいか、気づけば俺たちはすっか意気投合していた。