「俺は恋とかしたことないから翼が羨ましいよ。」 篠原はそう言って少し悲しそうな顔をした。 初めて篠原の本音を聞いた気がして篠原に向きかえった。 こいつの生い立ちは聞いたことがない。 ただ、他の御陵衛士とは少し振る舞いが違うな、とは思っていた。 まるで、貴族のような…。 一体どんな家で育ったのか知りたい。 「篠原ってさ、どんな家…」 「あっ!俺あんまり長居しすぎると、サボってると思われるから監視に戻るね。」 “家”というワードを出した途端篠原は飛び上がって部屋から出て行ってしまった。