「男に向かって可愛いなんて言うなよ!大体翼はいつも俺を子ども扱いしてくるけど一つしか変わらないんだからな!」 篠原は可愛い、と言われることが嫌いらしい。 毎日口に出す度に凄い形相で睨まれた。 今日も刀を抜いて斬られそうな勢いだったから、篠原いじりはこの辺でやめよう。 「それよりまだ監視なんて付いていたんだな。」 ぽつり、と言葉を落とす。 俺がこっちに来て以来、四六時中誰かが見張りについている。 別に、逃げ出そうとなんて思ってないのに。 俺の言葉に、篠原は複雑そうな顔をした。