さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「どうしたんだい?」




いつもと変わりないキンさんの態度。




やっぱり気のせいだったのかしら?




そう思わせるくらいキンさんは普通だった。





「あの、キンさんは斉藤さんが好きなんですか?」





“斉藤さん”




この単語にキンさんは確かに揺れた。




一瞬だったけれど、私はそれを見逃さなかった。





「な、なんのことだい?」





「キンさん意外にわかりやすいですよ。」