さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




「幼いながらに俺はそれは理解していた。だから、諦めた。」





「・・・気の小さい男だね。」





「しょうがなかったんだよ。」





そう呟いた原田さんの瞳は悲しげで。




あの楽天家な原田さんが、こんな表情をするなんて思わなかった。





「・・・原田さんは、今でもその人を?」





聞くつもりなんてなかったけれど。






どうしてか、自然に疑問を口にしていた。





「もう昔のことだよ。」




ははっと笑う原田さんはやはり、いつもとは様子が違っていて。





瞬間的にその人が心のどこかに引っかかっているんだな、と気づく。