さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「初恋の話。」




「いいねえ。早く話しを。」




キンさんがじれったそうに原田さんを急かす。







「好きな子が、いたんだ。ずっと一緒に育った奴。」





原田さんの知らなかった過去。





それが今、明らかになろうとしている。




「俺はあいつが好きだったし、あいつも俺に気を寄せてくれていた。」





つまり、両想いってことよね。




全然悔やむような恋じゃないわ。






「でも、身分が違った。」





身分。





そんなものが、関係するの?