さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



そ、それだけ!?





「折角斉藤さんの弱みを握れると思たのに…。」





「たった、それだけ!?他に色恋沙汰のなんかとかないのかよ!」





「ない。」





一刀両断。




まさにこのことをいうんだな、と思って苦笑した。





「あぁつまんないねぇ!アタシは恋沙汰がききたいんだよ!」





つ、ついにキンさんの本音が落ちた。





なるほど、キンさんらしいな。




私に初めて会ったときといい、キンさんは恋愛トークが好きみたい。





「じゃあ、次はアタシ!」




そう言ってキンさんは豪快にサイコロを転がした。




出た目は、4。