すごろくの台紙には、色々な命令が書かれている。
変な顔をしろ、とか好きな人の名前を暴露など。
書かれていることは現代のものとさほど変わりない。
「二人でするのもなんだからね、誰か通り過ぎるのを待って引っ張り込むさね。」
キンさんがそう口にしたと同時に、曲がり角からあの人たちが出てきた。
なんていいタイミング!
「斉藤さん、原田さーん!」
二人を呼び止めると、驚いた顔をしながらこちらに歩み寄ってきた。
「一緒にすごろくしましょ!」
「双六か。久しいな。」
「・・・・。」
原田さんは興味を示してくれた。
斉藤さんは・・・
まぁ、良しとして。
「左之助はここ、一はここに座るといい!」
キンさんがばんばんと木製の床を叩くと、二人はそこに腰をおろした。

