さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―

そう言ってキンさんがぽんと投げたのは、正六面体のサイコロ。




なるほど。




江戸時代ではサイコロが支流だったのか。




「やりましょ、やりましょっ!」



テレビも音楽プレイヤーもなくて毎日暇を持て余していたから、誰かと遊ぶ、という単純なことがすごく楽しい。




「今日は天気もいいさ。縁側でするさね。」




その言葉に私たちは腰を持ち上げた。




すごろくなんて何年ぶりかな?




まさか、この年齢になってすごろくをする事になるとは思ってもみなかった。