「それじゃあ、絵双六でもしようさね。」
「えすごろく?」
「双六も知らないのかい?」
キンさんはそう言って大きな紙を広げた。
見覚えのある、それ。
「あっ!これなら知っていますよ。」
すごろく。
ルーレットを回して出た数だけ進む、単純なゲーム。
私がやったことがあるのは人生ゲームだったけど、だいたいのルールは同じだろう。
「あれ?ルーレットはどこですか?」
ゲームを始めるに大切なルーレットが見あたらない。
「るーれっと?」
そうだ、ルーレットは横文字だ!
「あの、進むマスを決める数字が書いてある円盤です。」
「なんだい、それは。新しい物なのかね。私のは賽子だよ。」

