さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「それじゃあ、絵双六でもしようさね。」




「えすごろく?」




「双六も知らないのかい?」





キンさんはそう言って大きな紙を広げた。




見覚えのある、それ。




「あっ!これなら知っていますよ。」




すごろく。




ルーレットを回して出た数だけ進む、単純なゲーム。





私がやったことがあるのは人生ゲームだったけど、だいたいのルールは同じだろう。




「あれ?ルーレットはどこですか?」




ゲームを始めるに大切なルーレットが見あたらない。




「るーれっと?」




そうだ、ルーレットは横文字だ!




「あの、進むマスを決める数字が書いてある円盤です。」




「なんだい、それは。新しい物なのかね。私のは賽子だよ。」