さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―






「でも、もう決めましたから。」





キンさんに負けないように強く告げると、温かい目で私を包み込むように見つめてきた。





その姿が少しお母さんと重なって胸が苦しくなった。





もし私が未来に帰る選択をして帰れたとしたら、すでに血に染まった私を受け入れてくれるだろうか?





人殺しの私を。





「大丈夫さあ。」




丁度いいタイミングで、キンさんが声を掛けてくれた。






考えていたこと見透かされてたのかな?





ただにっこり微笑んでくれるキンさんに、少しだけ気持ちが和らいだ。





「ありがとうございます。」





キンさんには何度助けられたか。





そう思ったら感謝の言葉を言わずにはいられなくなった。





恥ずかしそうに頬を赤らめたキンさんの姿はやっぱりきれいだなあと思った。