土方さんはきっぱりと否定していたけれど、私は見てしまった。
緩く口角をあげ、目を細めて笑った土方さんを。
「…やっぱりお前は苦手だ。」
がーん。
面と向かって言わなくてもいいじゃないですか、と思って私はがっくりと頭を落とした。
「それより、お前も警備にこねえか?」
「警備?」
突然の問いかけだったから驚いてしまった。
「屯所に残るもの以外は、全員で出動するつもりなんだが、どうしても人手が足りねえ。」
そう言って土方さんはしかめっ面をした。
困っているんだろうか。
警備って、ただ見回りで突っ立ってるくらいだよね。
「わかりました。」
私の言葉に土方さんは顔を緩めた。
「それじゃあ、出動のときは声を掛けるから。頼んだぞ。」
わかりましたー、とお気楽に捉えて私は自分の部屋へ戻った。