「あず。」 「あっ、はい。」 沖田さんの声で我に返る。 「これからある稽古見学に来ない?」 稽古。 ずっと避けていたこと。 私はもうこの手を血で染めたくない。 あの日以来、本当はこれは逃げなんじゃないかってずっと考えていた。 壬生浪士の人たちに守られて、恩返しも何もできなくて。 「…わかりました。」 怖い、けど。 前に進まなきゃいけないから。